落ち着いて生活できる家庭的なホーム活動
年上への模倣から成長する縦割り活動を取り入れています。乳児は、愛着形成が未熟なまま集団保育に入ります。そこで、子どもが安心して生活に入れるよう、小グループによる家庭的異年齢保育を軸に、馴染みの持てる保育者担当制として園内での愛着形成を促しています。また、3歳児以上は、生活が安定する8月からの2ヶ月間に、学び合いの力を伸ばす異年齢の小グループによる毎日のホーム活動を取り入れ、自律へと促していきます。
子ども達は生活の中の身近な存在を「模倣(真似)をする」という体験をとおして、活きた知識を習得しますので、ももの家では、年上の子ども達を模倣できる縦割りのホーム活動を行なっています。
ですが、年齢による発達差を考慮しない画一的な保育は、子どもの安定的な成長を妨げてしまいます。年齢によって、心の成長や周囲や保育者との愛着形成の段階が様々だからです。だからこそ、その発達の差を考慮した異年齢ホーム活動計画と同年齢とともに過ごす毎日の生活計画が、とても大切になります。
ここでは、ももの家が行なっている、同年齢および異年齢保育の目的や、グループ編成などをお話しします。
1年齢別クラスはすべて保育者担当制
ももの家では、子どもとの愛着形成を大切にしているため、クラスを受け持つ保育士は保育者担当制を採用しています。保育士が一貫して変わらないことによって、子どもは安心感を持ちながら毎日の生活をリズム良く過ごすことができます。その上で保育士は、年齢にそった発育と成長が段階的に得られるように働きかけ、適度な距離を保ちながらそっと見守っています。
20歳児から1歳未満の乳児
6カ月から1歳未満の乳児は、保育士との愛着形成と、落ち着いた雰囲気の中で安心して生活できる環境つくりを一番大切にしています。特にこの時期は、保護者との愛着形成も途中段階ですので、より家庭的で温かな雰囲気や部屋のしつらえ、安心感と親しみを抱ける保育士の関わり方を重視しています。そのため、この月齢は縦割りのホーム活動を行なっていません。
31,2歳児の異年齢ホーム活動
年上の模倣が大切と提唱していますが、1歳児の子どもがいきなり5歳児の子どもの模倣をするのは、発達段階を飛び越えすぎてしまいます。年齢に合わせた異年齢との関わり方が必要です。1歳児の子どもは、少し先を行くお兄さんお姉さんである2歳児の子どもと接することで良い刺激をもらい、2歳児の子どもは自分より少し小さい存在への慈しみの心が育まれます。
43〜5歳児の異年齢ホーム活動
3〜5歳の年齢は、幼児期に育みたい「主体性」に目を向ける時期です。8月からの2ヶ月間は、異年齢の小グループ制によるホーム活動を毎日行ない、学び合える環境をつくっています。年下の子どもは、年上の子どもに憧れと尊敬を抱きながら、年上の子どもを模倣し何度もトライすることで知識と経験を習得していきます。年上の子どもは年下の子どもと接することで、温かな心と誇りを持てるようになります。
異年齢のホーム活動で培われること
- 年下の子どもは「大きくなったら、あんなふうにできるかな」と年上の存在に憧れます。
- 年上の子どもは「まだ小さいから仕方ないよね」と年下の面倒を見るようになります。
- 「すごい!できるようになったね!」と、年上も年下もお互いに喜びを分かち合えます。
- 相手への敬意を持つことで、マナーを知り、自己コントロールができるようになります。
- お互いが深く関わり合うことで、わがままと自由の違いを感じとれるようになります。
- 年齢という枠を超えた繋がりは、人との心地よいやりとりを体感し、体得していきます。