自主性を育てる保育方針のピラミーデ教育法
子どもの自主性を育てるオランダ政府教育機構が開発した幼児教育手法。幼児教育には4つの要素が重要としています。それは「やる気」と「働きかけ」、「心理的な愛着」と「心理的な距離感」です。支援することと見守ることのバランスを大切にして保育を行います。「自分で考えて決断できる力を養うこと」を大切に、小グループ活動やコーナー遊び、子どもの生理的リズムに寄り添った時間差昼食など、様々な場面に導入しています。
ピラミーデ幼児教育法の目的は、子どもが将来自律して人生の課題を自分で越えることができるように、子どもの発達を最大限に促すことです。ももの家の教育法として、シュタイナー教育を土台にして、保育方針の柱としています。
ここでは、ピラミーデ幼児教育法の4つの基本概念
- 1 子どものやる気を大切にすること
- 2 保育者の働きかけを大切にすること
- 3 心理的な寄り添いを大切にすること
- 4 心理的な距離感を大切にすること
をご説明します。
1子どものやる気を大切にすること
子どもが身の周りの世界を探求しながら理解することを促すために、自主的に取り組み継続できるよう支援しています。子どもは、「認められたい」「自信を持ちたい」という自分を受け入れてもらいたい気持ちと、「学びたい」「探索したい」という成長したい気持ちを持っています。この二つの根本的な願いを満たしながら、子どものやる気を育みます。
2保育者の働きかけを大切にすること
子どもの自主性を育むために、安心できる環境・変わらない情緒的な支援・子どもが自分自身の能力を信じて行動できる支援など、子どもの要求を考慮して心の安定をもらたす働きかけをします。その一方で、子どもの発達を活性化させる学びのために、明確な狙いを持った活動・発育段階にそった段階的な学び・様々な声かけなど、幅広い教育技能を使って働きかけます。
3心理的な寄り添いを大切にすること
子どもが積極的に知識を習得するには、子どもの身近にある事柄から始めることが大切です。こうした活動を促し支えるには、まず保育者と子どもとの愛着形成が必要です。アタッチメント(愛着)理論をもとに、子どもの「やりたい」という意思を尊重した形で遊びの流れをつくり、そこにリズム感(生活のリズムや時間のリズムなど)や節度をもたせるようにします。
【アタッチメント理論】で大切にしていること
- 良好な関係
- 遊びの構造化と制限
- 安全と安らぎの確保
- 情緒的支援
- 所属感の意識をはっきりさせる
- 自主性への敬意
4心理的な距離感を大切にすること
子どもが文字や数に興味をもち理解するには、体験したことを口に出して語ることで、その考え方が次第にできるようになります。それには保育者の強制ではなく、自然な流れの中で、子どもが葉っぱやどんぐり、花などの自然物に触れ、数えるような環境つくりが必要です。そのため保育者は、子どもがこの体験を安心して経験できるよう、冷静に見守る姿勢が大切です(ディスタンシング理論)。
【デジスタンシング理論】で大切にしていること
- 近い世界から始める
- 発達レベルに合わせる
- 具体的な対象や出来事
- 具体的表現を行うことで、認識できないものが認識できる
- 後のことを考える、予測する
- 目の前の物事から距離をおく
- 時間と空間の距離