心と体のバランスの良い育ちを促すシュタイナー教育
ももの家の教育の大きな柱がシュタイナー教育です。オーストリアの思想家ルドルフ・シュタイナーによる人間教育で、人間の本質の捉え方や成長への見方に特色のある、人智学に基づいた心と体のバランスの良い教育を目指しています。親子で安心できる環境の中、異年齢のたてわりグループにより自然素材を使った芸術活動などを行います。幼児期の早期教育を行うことなく、一般に行われている号令型の一斉保育とは異なる取り組みをしています。
*「人智学」とは、人間は肉体だけの存在ではないと捉え、物質主義を否定し、人間の意識や精神の進化を求め、人間の生きる道を追求していく考え方の学問です。情操教育のひとつです。
ここでは、
- 1 ルドルフ・シュタイナーの教育理念
- 2 シュタイナー教育の人間観・教育観
- 3 シュタイナー教育の目指す子どもの姿
についてご説明し、ももの家でどう取り入れ実践しているかをお伝えします。
1ルドルフ・シュタイナーの教育理念
ルドルフ・シュタイナー(1861~1925)は「子どもにあれこれと注ぎ込まず、その精神の前で慎みと尊敬の念を持って向き合えば、子どもの精神は自力で成長していく。私たちがすべきことは、子ども達の成長の妨げとなるものを取り除いて、子ども達の精神が自ら成長できるきっかけを作ること」と説いています。
2シュタイナー教育の人間観・教育観
子どもが自分の存在価値を自然に認められるような環境の中、心・脳・体がバランスよく成長することで、将来、社会にはばたく人間の育成を掲げています。子どもの持つ無限の可能性を阻むことなく育て、子どもの体と心と頭が本来持っている能力を、人生で存分に発揮できるようにすることを主眼においています。
3シュタイナー教育の目指す子どもの姿
シュタイナー教育では、子どもが自らの進む道を自分自身で考え、決断していける人間に育つことを目指しています。そのため、既成の枠の中で他人と比較したり判断・評価したりせず、一人ひとりの個性に向き合い、伸びるように導くことを大切にしています。それは普遍的な人間性を育む教育ともいえるでしょう。
こうしたシュタイナー教育の理念である子ども達への温かいまなざしや「目指す子どもの姿」が、ももの家の教育方針と同じ方向を向いています。そうした理由から、当園での保育の柱として「シュタイナー教育」を特に大切にしています。 そのため、私たちももの家の保育士は、小さな体の奥に存在する「きらきら輝くいのち」に敬意をはらい、慈しみの心と、輝くいのちを導ける理性的な精神を常に持ち続けることを胸に掲げ、いつも意識しています。
そして、ももの家では、子ども達がもともと持っている「伸びる力」を最大限発揮できるように、毎日の過ごし方やカリキュラム、保育室のしつらえや室内外にある遊具、体の基礎をつくる食事など、細かなところにまで配慮しながら生活環境を整えています。
健全な成長を促すシュタイナー教育が、単に掲げているだけとならないように、保育士および職員は全員、一般保育教育論に加えて、シュタイナー教育への学びを日常的に継続しています。